ステンレス棚をオーダー製作|ホテル・アパレルのバックヤードが「見せられる空間」に

今回ご紹介するのは、ホテル・アパレル向けにオーダー製作したステンレス製4段ラックの事例です。「清潔感」「耐久性」「空間への馴染み方」、この3つを同時に実現した棚が、現場をどう変えたかをお伝えします。

なぜステンレスなのか?ホテル・アパレルの現場で選ばれる理由

市販のスチール棚やプラスチック棚と比べて、ステンレスが選ばれる理由はシンプルです。

まず錆びないこと。ホテルのリネン室やランドリー周辺は湿気が多く、スチール棚はどうしても数年で錆が出ます。アパレルのバックヤードも、季節の変わり目に結露が発生しやすい。ステンレスはそういった環境でも腐食しにくく、10年・20年と使い続けられます。

次に清掃のしやすさです。表面が滑らかなステンレスは、布一枚でさっと拭くだけで清潔を保てます。ホテルの衛生基準、アパレルの商品管理において、これは非常に重要なポイントです。

そして見た目のクオリティ。スチールやプラスチックとは違う、あの独特のマットな光沢感。バックヤードとはいえ、スタッフが「きれいな空間で働いている」と感じられることは、意外なほど現場のモチベーションに影響します。

参考:日本ホテル協会「衛生管理ガイドライン」 https://www.j-hotel.or.jp/

今回の製作事例:既製品では解決できなかった3つの問題

今回のオーダー製作の背景には、市販品では解決できなかった3つの問題がありました。

問題1:サイズが合わない

ホテルのリネン庫は、建物の構造上、幅・高さ・奥行きに細かい制約があります。市販の棚では「あと5cm狭ければ入るのに」「もう10cm高ければもう一段置けるのに」という状況が続いていました。オーダー製作ならミリ単位で寸法を指定できるため、空間を無駄なく使い切ることができます。

問題2:棚板の強度が足りない

アパレルの場合、重量のある在庫(デニム素材のボトムス、コートなど)をまとめて載せると、市販のスチールラックでは棚板がたわんでしまうことがあります。今回はSUS304の2.0mm板厚で棚板を製作し、1段あたり均等荷重で80kgまで対応できる強度を確保しています。

問題3:見た目が「使い捨て感」を出していた

アパレルショップのスタッフルームは、採用面接や研修でスタッフが最初に目にする空間でもあります。安価なメタルラックが雑然と並んでいると、それだけで「この会社はこういう会社なんだ」という印象を与えてしまいます。ステンレスのオーダー棚に変えたことで、「ちゃんとした職場」という空気感が生まれたという声を担当者からいただきました。

ステンレス棚の製作工程:丁寧に作るから長く使える

今回の棚がどのような工程で作られているか、簡単にご紹介します。

角パイプのフレーム溶接

棚の骨格となる縦柱・横桟はステンレスの角パイプを使用しています。フレームの溶接には、柱の垂直精度を保つための治具を使用。完成後に棚がガタつく・傾くという問題を、製作段階で根本から防いでいます。

溶接後は、ビード(溶接の盛り上がり)をグラインダーで研磨し、目立たない仕上がりに。「溶接した感」を消すことで、全体的にすっきりとした印象になります。

参考:一般社団法人 溶接学会 https://www.jwes.or.jp/

棚板のプレス成形と取り付け

棚板はステンレス板材をプレス加工し、四方の端部を折り曲げて強度を出しています。平板のまま載せるのではなく、縁を折ることで「たわみ」を大幅に抑制できます。

棚板の取り付けは、高さ調整可能なダボ穴方式を採用。現場での模様替えや、在庫量の変化に応じて棚板の位置を自由に変えられます。

バフ研磨仕上げ

最終仕上げとして、全面にバフ研磨処理を施しています。ヘアライン仕上げよりも柔らかな光沢感が出るバフ仕上げは、ホテルやアパレルのような「上質さを大切にする空間」に特に馴染みやすい仕上がりです。

オーダーステンレス棚を検討するときに確認したいポイント

ステンレス棚のオーダー製作を業者に依頼するとき、確認しておくべきことをまとめます。

搬入経路と設置場所の寸法を正確に伝える

いくら良い棚を作っても、搬入口を通らなければ意味がありません。幅・高さだけでなく、廊下の曲がり角・エレベーターの内寸・設置場所の天井高まで事前に測って業者に伝えましょう。分解・組み立て方式にするかどうかの判断にも関わります。

荷重条件を具体的に伝える

「何を、どのくらいの量、載せるか」を具体的に伝えることが大切です。棚板の板厚・補強リブの有無・棚板ピッチが、荷重条件によって変わります。「とりあえず丈夫に」は業者側も困るので、できれば最大積載重量の目安を一緒に決めましょう。

仕上げの種類と使用環境を相談する

バフ仕上げ・ヘアライン仕上げ・鏡面仕上げなど、ステンレスの表面処理にはいくつかの選択肢があります。使用環境(湿気の多さ・薬品との接触の有無・人の目に触れる頻度)によって最適な仕上げが変わるため、業者と一緒に決めることをおすすめします。

参考:ものづくりマッチングサイト「MEKIKI」 https://mekiki.monodukuri.com/

「バックヤードに投資する」という発想が、職場を変える

今回の事例で、最も印象的だったのは製作後のある一言でした。

「スタッフが棚をきれいに使うようになった。」

ステンレスのオーダー棚に変えてから、以前は物が雑然と積まれていたバックヤードが、自然と整理整頓されるようになったというのです。「きれいな棚があるから、きれいに使いたい」という心理が自然に働いたのでしょう。

ホテルもアパレルも、最終的には「人」が価値を作る仕事です。その人たちが働く環境を整えることは、サービスの質に直結します。バックヤードへの投資は、目に見えにくいけれど、確実にお客様への価値として返ってきます。

「どうせ見えないから」ではなく、「見えないからこそちゃんとしよう」。そういう発想ができる現場が、長く愛されるホテルやショップを作るのだと思います。

まとめ:ステンレス棚のオーダー製作は「長く使える投資」です

市販の棚より初期費用はかかります。でも、錆びず・たわまず・清掃しやすく・見た目が美しいステンレスのオーダー棚は、5年・10年と現場で使い続けられる本物の道具です。

サイズが合わない、強度が足りない、見た目が気になるという悩みを抱えているなら、一度オーダー製作という選択肢を検討してみてください。「作ってよかった」と思える棚が、きっと見つかります。

参考・出典URL一覧

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