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コラム19. 板金加工に強い設計者になる!現場に信頼される10のスキル

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板金加工の設計において現場から信頼される設計者とは、単に理論やCAD操作ができるだけではなく、実際の加工工程や組立作業を深く理解し、製造側の視点で設計に反映できる人物です。ここでは、現場から信頼される設計者に共通する10のスキルと、それぞれの実践ポイントについて解説します。

  • ・加工工程(切断・曲げ・溶接)の基礎知識:図面に記載した内容が実際に加工可能かを判断するには、各工程の特徴や制約を理解していることが重要です。材料特性の把握(SPCC、SUS304、A5052など):材質ごとの曲げ性・溶接性・仕上げ性などの違いを知ることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
  • ・寸法・公差と加工精度のバランス感覚:公差を厳しく設定すれば品質は上がると思われがちですが、コストや加工難易度に直結するため、適正値を見極めるスキルが求められます。
  • ・組立性を意識した構造設計力:どのように組み立てられるか、作業性や位置決め精度も踏まえた構造を検討する必要があります。
  • ・溶接部の歪みとその対策の理解:溶接順序や冶具の設計など、製造工程を考慮した配慮ができる設計者は信頼されます。
  • ・展開図作成と曲げ伸びの計算力:展開寸法の正確さが製品精度に直結するため、伸び代の算出や材料ロスの把握も必要です。
  • ・現場との打合せ・ヒアリング力:一方的な指示ではなく、現場の知見を吸い上げて設計に活かす対話力が不可欠です。
  • ・コストと納期に配慮した設計意識:品質だけでなく、リードタイムや価格にも配慮した設計ができると、ビジネス的な信頼にもつながります。
  • ・図面の整備力と情報伝達能力:誤解を生まない図面表現や、必要事項を漏らさないチェック力が求められます。

フィードバックを受け入れ、改善できる柔軟性:失敗を次に活かす姿勢は、設計力そのものを成長させ、社内外からの評価を高めます。

これらのスキルは、一朝一夕に身につくものではありませんが、日々の業務の中で意識して取り組むことで、少しずつ育まれていきます。現場との信頼関係を築くためには、製品仕様だけでなく、「人との連携」も設計力の一部として磨く必要があるのです。